2009-08-28

ラジオのようなもの

これからのラジオを考えるときの勢力ベクトルがいくつかあります。

・保守勢力/国の意向

AMやFMのアナログ放送はとにかく残すべきだという保守勢力(理由はいろいろあると思うけど、以下のいくつかが含まれると思います)と、技術およびコンテンツ開発を競争させ、日本の技術革新につなげたい総務省の意向。

・通信/放送

このご時世なんだからネット配信すればいいじゃんという考えと、いや、広範囲の不特定多数に同時配信するには放送波がいちばんという考え。しかし放送設備には莫大な初期投資がかかる。

・オンデマンド・ダウンロード/ストリーミング

聴きたいものにアクセスして聴くオンデマンドのほうが断然便利じゃんという考えと、いや、それじゃポッドキャストじゃん、ラジオって概念は基本ストリーミングなんじゃという考え。なお放送波でもオンデマンドのようなこと(ダウンロード)は可能。

・無料/有料

「ラジオ」なら当然無料っしょ、という従来の考えと、いやコンテンツ配信を考えれば別に課金したっていいっしょ。という考え。

・サイマル・置き換え/独自番組

従来のアナログ放送が続くならサイマル(同内容の同時放送)。もしアナログにとって代わるとしても単にインフラが高品質になるだけで番組はそのまま、あとは求めない、という考えと、独自番組によって今までにない演出やサービスなどを模索・追求する考え。

・音声/音声以上

「ラジオ」なんだから当然「音声」っしょ、という従来の考えと、いやもう「ラジオ」の域にとらわれず(いっそラジオという言葉も変えて)動画、写真、テキストその他、番組をコンテンツの集合として考えようぜ、という考え。ワンセグとの住み分け。

・そもそもデジタルでいいか

先行の地デジやワンセグでよくわかるけど、デジタルはすべてしきい値。電波が入らないと容赦なく画面真っ暗ということに。(なおワンセグで人の顔がのべーってなるのは、MPEG映像は基本的に差分のみ記録するため、途中のフレームでデータが欠落すると次の完全なフレームが来るまで崩れたままになるため)
そもそもアナログのいいところは、ちょっとくらい電波悪くても雑音の中でなんとなく聞き取れるところなんじゃないか?という考え。でもこれ言い出すとデジタル化以外の代替案がないと先に進まないね。

・価格、携帯性、機能、電池の持ち

一般的に高機能になると高くなるよね。「万人向けラジオ」って考えたとき、高価なラジオなんてなかなか買えない。高機能版と低機能版を分ける、とか。
一般的に携帯性重視で小型化すると電池の持ちは悪くなるよね。災害時を考えたとき、単四電池1本で10時間は持ってほしい気がする。
アナログのポケットラジオは安い、小さい、低機能だが長時間OK。多少電波入らなくてもノイズ交じりでなんとか聞ける。デジタル化でどれだけ対抗できるか。

※アナログラジオといっても、内部にデジタルを応用していることもあり、そのことが省電力・長時間聴取に貢献していることもあると思う。

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