2009-10-25

肉食男の言い訳

いま読んでいる本、フェミニズムに対するバックラッシュの一種であることは否めませんが、男のささやかな言い訳としては一理あるかもしれません。言わんとしていることはわかります。

現時点で私は個々のジェンダーを尊重して乱暴にはまとめないジェンダー・センシティブの考えに賛同しているので、「やっぱ男性社会がいい」的な考えには到底すぐに賛成できるものではありません。同時に「完全に女性社会にすべき」とも思っていませんが。
ジェンダーについて学んでいる人も、たまにはこういう本もいいかもしれませんが、これだけを読むと偏りますので注意してください。

以下の引用などは、まるで女性は尊敬に値しないと言わんばかりで、フェミニストが聞いたら憤慨すると思います。

(前略)このフェミニズムの時代 ─ 金と社会的地位というきわめて男性的な力を手に入れた女たちが、男から尊敬されることを要求し、男を去勢する傾向にある時代 ─ が、同時にかつてないほど女性のファッションが挑発的な時代であることの本当の理由もそこにある。超ミニスカート、胸元あらわなトップ、ストリング、ローヒップのパンツ、ピチピチのジーンズ、アウターにしたセクシーなランジェリーなどなど。まるで男性的なイメージを矯正して埋め合わせ、残されたフェミニンさを強調することで、ズタズタにしてしまった男の性欲をなんとか再生し、おびえる男たちを安心させようと言うかのようだ。メディアの過激な記事やセクシーな下着の氾濫、その昔の性的倒錯に想を得た演出などは、女性が強制する愛と尊敬のせいですっかり萎えてしまった男の性欲を減退から救おうとする試みだろう。
(「女になりたがる男たち」/新潮新書)


まあ、むしろこの言説内では、男たちをおとなしくすることに成功した女たちは、内心ほくそ笑んでいるとは思いますが…。

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1 件のコメント:

micky さんのコメント...

コメント有難うございます。

ファッションにおける年齢差に関する考察はあまりしたことがなかったのですが、おっしゃることはわかります。ただ、自己意識(自己主張)と異性の目を前提にした被服の選択とを年齢によって単純に分けるのはなかなか難しいかもしれません。程度の差はあれ、人は思春期以降、どの年齢にあってもある程度は自己主張と異性の目を気にし続けるものではないかと思います。
あと年齢が上がるにつれ世間体という要素も加わってくると思います。こちらも程度の差はあれ、例えば胸元の大きく開いた挑発するようなファッションを何歳になっても続けられるかというと、本人は続けたくても世間体がそうはさせないという場合があろうかと思います。

私が今回引用した本は、実はファッションがどうという部分は詳細な事柄の一つであり、筆者(フランスのジャーナリスト)が言わんとしていることを必ずしも正確に示してはいません。ものすごくかいつまんで言えば、筆者は世の中のフェミニズム傾向を憂慮していて、たとえ男性社会が戦争と風俗に代表されるように暴力とファックのオンパレードだったとしても、権力の維持には男性性が必要だった。いままでそれでずっとやってきたんだからこれからも男は男らしさを維持しなければならない、というような調子で、要はすごく保守派なんですね。私はそうは思わず、仮に男女平等によって社会や政治のバランスが崩れてきているとするならば、問題とされる点を微調整していけば良いんじゃないかと思っています。具体的な案は持っていませんが、スタンスとしてです。