2010-10-22

父への手紙 (1)



先月、めずらしく父に手紙でも書こうかと思っていたところに、父から手紙が来た。親子ってもんですかねぇ。仲は普通ですが、手紙をやりあう習慣はありません。父はPCも携帯も使わないため、まとまった内容を伝えるには手紙しかありません。秀丸で草稿を書いてから、わざわざ手書きで便箋に書きました。こんな長文を書くのは学生以来かも。手が超痛くなりました。




先日は、お手紙有難うございます。
今までにも何度かお手紙を頂いたことがあったかと思いますが、これほど長文にわたるお手紙を頂いたのはもしかすると初めてかもしれませんね。手書きや手仕事、手垢のついた媒体を滅多に目にしなくなった今日、やはり直筆の手紙というのは大変有り難いものです。

びっくりしたのは、私も丁度この1、2ヶ月、父に手紙を出そうかなと思っていたところだったのです。これも親子の繋がりというものでしょうか。どうやら遺伝子のなす無意識の世界でしばし不思議な時空を共有したようです。

私の方はすっかり「今どき」のデジタル人間ですので、この文章の草稿をまずパソコンのキーボードをタイプする方法で電子ファイルに作成しています。こちらのほうが段落の入れ替えや書き直しがスムースなのです。そして草稿が終わったのち、改めて手書きで便箋にしたためています。筆記の機会が減ったことによる軟弱な筆跡については先にお詫び申し上げます。書く事を疎かにしているといえばその通りです。読み書きは人の基本と思いますので、精進します。

さて私も気づけば31歳となり、お手紙に頂いたとおり今後の道のりを計画すべき歳となりました。しかし、2010年のこの世間というものを見渡す際に、漠然としかし率直に一つの問いが切実に浮かび上がるわけです。

「これほどに先の読めない世の中は過去に何度あっただろう」

金融危機のあおりを受け次々と破綻する大企業、政治とマスメディアの混乱、少子高齢化、医療や教育の危機、確実に忍び寄る温暖化と資源枯渇、横目で追い越すアジアマーケット。

現在日本を覆っている先行きの不透明感は、明らかに戦後の混乱とは異質のものと思います。絶好調にエンジンが掛かっていたはずの経済大国日本がエンストを起こし、得意のIT産業さえも「ガラパゴス」と呼ばれ、アレよという間に空中分解寸前の状態にまで陥っていることは国民誰もが肌で感じているところです。

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