2009-05-14

草食系ファッション考

20代男性視点での、カワイイ狂の20代女性と草食系20代男性に関する思考。

近年の女子は本当にかわいくなった。彼女たちの腕があがったのだろうか。もちろんそうだし、彼女らを取り巻くありとあらゆる魅惑の品々が次々と製造・流通し、消費の過程で大量のノウハウが蓄積された結果でもある。

女子のかわいさの半分は並々ならぬ努力の結果獲得した身体特徴(良しとされる体形は時代とともに変化するが)として既に土台があるが、残り半分は装い(衣服とメイク)によって能動的に獲得するものである。

近年、渋谷・原宿を中心に驚くほどリーズナブルなカワイイ製品が大量に生産・消費されている。これらを装用することにより、すべての女子はインスタントにカワイイ属性を取得することができる。提供側も、カワイイが支持され続ける限り、引き続きマーケットのさらなる拡大を狙うだろう。

そんな女子たちのかわいさの半分、すなわち選択的な装いによって自動的に付与されるかわいさは、そういった消費行動の結果の表象であることは、さすがに男子もとっくに気づいているから、そう簡単に鵜呑みにしない。逆に冷めた視点(はい、今日もかわいいね、毎日ご苦労さま)で見るから、少しのアラも目立つのだ。そして皆が皆一様に完成度が高まってくると男女ともに慣れてしまい、女子はかわいくて当たり前といったような偏った見方についなってしまう。

と同時に、あまりにも多くの女子たちがその完成度を高めてきているのを毎日電車やストリートで目の当たりにし、さすがに羨ましくてならず、「あーあ、女子はいいよなぁ。スゲェよなぁ。かないっこないなぁ」という潜在的感情が草食系男子を筆頭に増えてきてるんだと思う。

それはファッションでいえば、じゃあこっちは従来のメンズ・ファッションを極めてやろう、という単純な相対性のベクトルではなく、真似したいという同調性の感情が内在しているので、たとえばメンズもレギンスくらいは普通に穿くようになった(よく見かけるし、僕も最近穿く)。別に女装するわけでもなく、フェミニンな要素をうまく取り入れる。それがまたメンズ・ファッションの可能性そのものを変化させる。

デパートの紳士服売場で、いつ行ってもどれも似たような単調なシャツやパンツばかりですっかり消沈したという経験はないだろうか? メンズはそもそもレディースと比べるとレパートリーが極端に少ないのである。購買欲をくすぐらないのである。だから、レディースからアイディアをもらうという流れは自然に感じられる。

ところで肉食系男子がレギンス穿くか? 否。おそらくスネ毛むき出しだろう。穿くとしたらスポーツ前提でナイキのスパッツくらいだろう。だからストリートのシーンでレギンス穿ければ、草食系かどうかの一つの指標となるのではないだろうか。

なお、上記のようなファッション(あえて定義はしないが、草食系が取り入れそうなフェミニンなファッション)の将来の問題として次のことがある。

女子たちはその後女子と呼ばれる年齢を卒業し、大人の女性として成熟するにつれ、雑誌等での誘導(例:30歳からの着こなし術、とか)もあり、見事に自然に事前計画通り、ミセス・ファッションへとスイッチしていく。この辺はさすがと言わざるを得ない。
しかし、草食系の将来は一体どうなるか? どこかで区切りをつけ、従来のメンズラインに戻ってこれるか? それとも肉食系の象徴、ちょいワルに代表されるようなオシャレフォーマルへと変態するのか? 将来のいつかその頃には、デパートの紳士服売場にも多様なスタイルが揃っているか?
このあたり、今後気になるところである。

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