2009-12-05

オタクの再確認

最近仕事で、隣の席のディレクターがアニメソングに関する番組を作っていて、ピンク色の声をしたアニソンが半強制的に聞こえてくる(よく知らないけど、「らき☆すた」とかそういう人気のあるやつ)。

アニソンが好きならこれは仕事のはかどる最適なBGMかもしれないが・・・正直、きつい。
「マイダーリン」とか、「うんだかだ~」とか。
聞くまいとすればするほど、イライラしてきてしょうがない。
いっそのこと口あけてホェ~って聞いて洗脳されたほうが楽だ。
でも私はかたくなに自分を防御し続けている。

そもそもこのイライラは何が原因で、何を意味しているのか。

いま、「ロリコン」という題の本を読んでいる。日本におけるロリコン文化とその歴史を考察したものだ。
思えば、アニメとロリコンの関係性について長い間漠然とモヤモヤしていた。この本に理解のための何らかのヒントがあるのではないかと期待し、買ったのだった。
私はアニメもロリコンも、変な偏見を持たないようになるべく正確に理解したいと思っている。
ロリコンはおそらく個人の妄想の範疇において安全な嗜好であり、当事者も十分な良識を持って実践していると思う。

アニメとロリコンの関係を探る前に「オタク」の再確認をしようと思い、1年以上前になるが、ラジオ版 学問のススメ岡田斗司夫氏が語っていたポッドキャストを引っ張り出して聞きなおした。


■ラジオ版 学問のススメ Special Edition 岡田斗司夫さん [前編]
 (2008/6/24 に配信された podcast)より要点列記


・岡田氏のオタクの定義:「いい歳して子供っぽいものが好きな人」

・広義には、漫画やアニメはもちろん、小説、ミリタリー、鉄道など、様々なジャンルでマニアックな人たち。

・オタクは細分化しているが、現在の主流は「萌えヲタ」。=美少女好きな人。

・引返しのつく10代のうちとかは、多分まだ「マニア」なんじゃないか。引返しがつかなくなって、これが俺の道だと自覚したころから「オタク」になるんじゃないか。

・オタク原人:昭和20年代生まれより前、オタク第1世代:昭和30~45年生まれ、第2世代:いま30歳~40歳の人。第3世代:いま20代の人。第4世代:いま10代。

・第4世代のあたりは、もうオタクとは呼べない。美少女好きではあるが、オタク定義「いい歳して」から外れるため。「オトナ」なのに子供っぽいものに興味を持ってしまう点にこそコンプレックスが潜むのだが、10代のそれにはコンプレックスは存在しない(全力でまっすぐに好きなのだ)。さらにそれどころか、全年代のオタクたちが「オトナ」ではなくなってきている(「オトナ」をやめようとしている)。「オトナ」にならないほうが得だと気づいたのだ。

・この20年間で、オタクに対する偏見はかなり解消された。「電車男」が支持を得たり、芸能人などが自分がオタクであることを公表したりなど。オタクは一定の地位を確立した。このことが同時に従来のオタクの概念を解体することとなった。=その意味で「オタクはすでに死んでいる」。(岡田氏の持論)

・幼少期において、親が子供にお小遣いを渡す(親が検閲の後に買い与えるのではなく、子供が自分で欲しいものを買う)という日本の文化が、その人のオタク化に関与している可能性がある。

・オタク定義の「子供っぽいもの」が「美少女っぽいもの」に変質してきた。アキバ系に限らず日本人全体の変化として「美少女」が好きになった。=日本人全員が子供っぽくなった(「オトナ」になりたくなくなった/「オトナ」を少しでもやめようとしている/子供の心を持ち続けることが良いこととされる)。

・現在の「萌えヲタ」はつまり、大人のようで子供のような中間的な人たち(極端には日本人全員)が「美少女っぽいもの」を好んでいる、という構図である。

・岡田氏はこれを「昭和という時代が終わった(昭和型の日本人が死んだ)」と位置づけている。昭和型の日本人=早く大人になりたい(上昇志向)。平成型の日本人=大人になりたくない。子供のままでいたい。

・「萌え~」の言いはじめは割と最近で約10年ほど前から。日本人の 昭和型 → 平成型 への変質時期とほぼシンクしている。

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